ネットで集団攻撃されたら、保護設定と証拠保存を先に行い、運営・差止め・通報を使い分ける
まず保護設定を有効にし、簡単な証拠保存機能で内容を残し、専用窓口から通報します。その後、裁判所に差止命令を求めて止めさせたり、自ら訴えて証拠収集に公安の協力を求めたりできます。特に重大な結果と悪質な社会的影響がある法定類型では、公訴の手続きとなり、被害者だけで立証を担う仕組みではなくなります。
必要なこと
初動に費用はかからず、十数分で保護と記録を行います。差止命令や自訴まで進めば裁判所へ出向き、弁護士が必要になる場合もあります。言い返す前に証拠を残すことが難しい点です。
期待できること
中国の法発〔2023〕14 号第 15 項は、人格権侵害が進行中または間近で、止めなければ回復困難な損害が生じる証拠がある場合、民法典第 997 条に基づき裁判所が人格権侵害の差止命令を出せるとします。相手へまず行為停止を命じる制度です。第 11 項は、自訴事件で被害者の証拠提供が本当に困難なら公安へ協力を求められるとします。公安は行為者を特定し、拡散状況・影響を収集し、ネット事業者は技術支援を提供します。協力で受理条件を満たせば裁判所は立件し、収集できない場合は公安が書面で理由を説明します。第 12 項は、刑法第 246 条第 2 項の「社会秩序を著しく害する」類型を 5 つ挙げます。本人・近親者の精神障害や自殺など重大な結果と悪質な社会的影響、無差別に一般人を標的として広範囲の拡散と大量の悪意ある低俗コメントを生じ悪質な影響がある場合、多数人への侮辱・中傷または反復拡散で悪質な影響がある場合、複数サイトに組織・指示して大量拡散し悪質な影響がある場合、その他です。第 4 項は、個人を特定する「人肉検索」を組織し、違法に収集した個人情報を不特定多数に公開して重大な場合、個人情報侵害罪とします。ネット暴力情報管理規定第 23 条は、知らない利用者や特定者の遮断、投稿公開範囲の制限、転載・コメント禁止、友人だけの私信または私信全拒否という保護設定を求めます。第 25 条は簡便な証拠保存、第 26 条は目立つ苦情・通報窓口、第 15 条は犯罪等の疑いを見つけた際の速やかな公安への通報を求めています。
適用条件と注意点
速さと費用の少なさでは運営への対応依頼が先で、証拠を残して通報します。裁判所の手続きは遅く費用もかかるため、その後で判断します。どの経路も手続きの負担は本人にかかり、差止めは自分で申請、自訴は自分で立件・証拠提出をします。公訴を求めるには第 12 項の 5 類型などの条件を満たす必要があります。言い返して罵倒すると項目 16の処分対象に自分もなり得るため避け、自分のアカウントの内容も証拠なので消しません。耐えられないときは中国の 12356(第 1 章の項目 25)へ。個人情報の削除要求は第 14 章の項目 8、見知らぬ人を助けて撮影・投稿された場合は見知らぬ人の事故に出会ったら立ち止まるべきかを参照してください。
研究と参考資料
最高人民法院・最高人民検察院・公安部(2023)。ネット暴力の違法・犯罪行為を法に基づき処罰する指導意見(法発〔2023〕14 号、第 4・11・12・15 項)。https://www.court.gov.cn/zixun/xiangqing/412992.html。全国人民代表大会(2020)。民法典、第 997 条。https://www.spp.gov.cn/spp/fl/202006/t20200602_463888.shtml(最高人民検察院全文転載)。国家インターネット情報弁公室・公安部・文化観光部・国家広播電視総局(2024)。ネット暴力情報管理規定、第 15・23・25・26 条、2024 年 8 月 1 日施行。https://www.gov.cn/gongbao/2024/issue_11526/202408/content_6969181.html(国務院公報)。