お金と仕事ヒント 24 · 約 4 分

「周囲より一段上に行く」ために、家・車・付き合う人へ支出を増やさない

根拠の等級 B費用対効果:標準
ひとことで言うと

本人の収入が同じでも、近隣住民の収入が高いほど幸福感が低いという研究があります。関連が見られたのは、学歴が同じで付き合いのある近隣住民でした。自分より裕福な人ばかりの場所へ移るための追加支出は、比較上の位置を下げることにもなります。ただし全員の収入が同じ割合で増えれば幸福感は上がり、絶対的な生活水準も意味を持ちます。

お金お金をかけずに
時間すぐできる
努力少し頑張る

必要なこと

費用はかかりません。予算を増やす前に、追加料金で買うのは物そのものか、集団内での自分の位置かと考えます。周囲が皆買い替えたときに、つられないことが難しい点です。

期待できること

米国の National Survey of Families and Households(NSFH)は同じ人々を 2 回調査しました。著者はこれに、1990 年国勢調査の 5% 抽出から推定した地域(PUMA)の平均所得を組み合わせました。本人の所得と各種の個人特性を調整しても、近隣所得が高いほど自己申告の幸福感は低くなりました。効果は大きく、算出法を変えても安定し、統計的に強い有意性がありました。著者によると、近隣所得の上昇による幸福感低下は、同程度の本人所得減少による低下と同じ桁の規模です。同じ人の前後を比べる個人固定効果を入れても、係数の方向と大きさは近く、ただし有意性は 10% 水準まで弱まりました。同じ州・同じ調査回の中で比べる固定効果を加えても、結果はほぼ変わりませんでした。これは、貧しい地域を好んで選ぶ人がもともと幸福であるという説明や、測定されていない州単位の要因だけでは説明しにくいことを示します。近隣と交流する人で効果が強く、地域外の友人とだけ付き合う人では有意ではありませんでした。賃貸と持家で差がなく、「高所得地域は住居費が高く自由に使えるお金が減る」という説明も支持しません。幸福感が下がったのは同じ学歴の近隣住民の所得が高い場合で、学歴が異なる住民の所得にはほぼ反応しませんでした。また主に自分の物質的状況への満足度を通じた関連で、家庭生活など他領域の満足度を通じたものではありません。最後に、本人と近隣の所得が同率で増えれば、幸福感は上がりました。

適用条件と注意点

等級 B とする理由は、同じ人を繰り返し調べた質問紙研究が 1 件で、海外サンプルであり、測定結果も金銭ではなく自己申告の幸福感だからです。同じ人の前後や同じ州・調査回での比較によりいくつかの交絡は除いていますが、ランダム化試験ではありません。中国人の同種の引用可能なデータもありません。効果を「中」としたのは項目 23と同じ基準です。節約額が数万元規模になる可能性はあっても、幸福感にどれほど換算されるかの数字がなく、金額だけで「大」としていません。広い家、静かな住宅地、短い通勤にお金を使うことは、そのものの利点を買っています。見直すのは「同僚が皆買い替えたから、自分だけ下にはなれない」という理由です。住まいの優先順位は第 4 章の項目 18、買い物での気分調整は本章の項目 23、ネットで上ばかり見る比較は第 3 章の項目 21を参照してください。

研究と参考資料

Luttmer EFP (2005). Neighbors as Negatives: Relative Earnings and Well-Being. The Quarterly Journal of Economics, 120(3), 963–1002. https://doi.org/10.1093/qje/120.3.963。Luttmer EFP (2004). Neighbors as Negatives: Relative Earnings and Well-Being. NBER Working Paper No. 10667(原文の表現・規模感はこの版と逐語的に照合)。https://www.nber.org/papers/w10667