時間とエネルギーヒント 7 · 約 3 分

気分が落ち込んだら歩く・走る。運動の強さと抑うつ症状の改善には関連がある

根拠の等級 A費用対効果:標準議論あり
ひとことで言うと

紹介する解析では、速歩やジョギングの改善効果が大きく、ヨガ、筋力トレーニング、太極拳・気功などにも効果がみられました。処方された運動強度が高いほど効果が大きく、筋力トレーニングとヨガは受け入れられやすい結果でした。ただし、根拠の確実性は低いものです。続けられる運動を選ぶことが大切です。

お金お金をかけずに
時間少し時間が必要
努力継続が必要

必要なこと

無料です。1回30分ほど。気分が悪いときほど動きたくなくなるため、始める努力が必要です。

期待できること

218件のランダム化比較試験、495群、重度の抑うつの臨床基準を満たす1万4,170人をまとめた、ベイズ流ネットワーク・メタ解析です。通常のケアやプラセボ錠などの積極的対照と比べ、運動の種類ごとの効果を比較しました。効果量Hedges' gは負の方向ほど症状改善が大きく、速歩・ジョギングは−0.62(95%信用区間−0.80~−0.45)、ヨガ−0.55(−0.73~−0.36)、筋力トレーニング−0.49(−0.69~−0.29)、複合的な有酸素運動−0.43(−0.61~−0.24)、太極拳・気功−0.42(−0.65~−0.21)でした。区間は、解析上の真の効果の推定幅を表します。著者らは、効果が処方された運動強度に比例すると報告しています。筋力トレーニングとヨガは受容性が高く、継続しやすい結果でした。

適用条件と注意点

議論のある根拠です。著者らによると、218件のうちバイアスのリスクが低い研究は1件だけでした。一般的な評価方法では、速歩・ジョギングの確実性は「低」、他は「非常に低」です。運動していることを参加者に隠せないため、期待による改善感も除けません。原文は、それでも「動かないより動く」「強度を低くしすぎず、続けられる種類を選ぶ」という方向性は参考になるとしています。第3章の「落ち込んだらまず体を動かす」を詳しくした項目で、診断後の標準的な治療の代わりにはなりません。

研究と参考資料

Noetel M, Sanders T, Gallardo-Gómez D, et al. (2024). Effect of exercise for depression: systematic review and network meta-analysis of randomised controlled trials. BMJ, 384, e075847. https://doi.org/10.1136/bmj-2023-075847