「他人は自分に完璧を要求している」という考えを、事実でなく症状として捉える
周囲が完璧を求め、失敗すれば否定されると感じる人は自殺の考えを持ちやすくなります。自分で自分に完璧を求める場合の関連は約 3 分の 1 と弱いものでした。元の自殺念慮を考慮しても前者は後の増加と小さく関連しました。
必要なこと
無料です。他人の要求を正確に測った結果でなく、対処すべき考えとして見ることが難しい点です。
期待できること
大学生、医学生、地域の成人、精神科患者を含む 45 研究、N=11,747 のランダム効果メタ解析です。自殺念慮との加重平均相関は、完全主義的懸念で r=.28(95% CI .24~.32、42 研究、7,936 人)でした。これは社会から完璧を求められる感覚、ミスへの懸念、行動への疑念、理想と現実の差などの総称です。そのうち社会規定的完全主義だけでも r=.28(.25~.32、30 研究、3,640 人)。自己志向的完全主義と個人的基準を含む完全主義的努力は r=.10(.07~.13、31 研究、4,588 人)、親の批判は r=.20(.11~.29)でした。自殺未遂との関連は、完全主義的懸念 r=.12(.07~.17、15 研究、5,275 人)、社会規定的完全主義 r=.19(.08~.29、8 研究、689 人)でした。縦断研究では開始時の自殺念慮を調整しても、社会規定的完全主義は後の念慮と小さく正に関連しました。自己志向的・他者志向的完全主義では関連が見られませんでした。
適用条件と注意点
大半が一度の質問票で前後関係が不明なため B です。相関は中程度(r 約 .28)で、説明する違いは数%~1 割ほどです。死亡ではなく念慮・未遂を測っているので、代替指標のみとして効果は「小」です。著者は完全主義的懸念と未遂には、好ましくない結果が公表されにくい出版バイアスの可能性を指摘していますが、推定される未公表研究を補っても方向は変わりませんでした。高い基準自体が問題なのではなく、基準がどこから来て、達成できないと自分そのものが終わりだと感じるかが違いです。項目 15の悲観と同じく、症状として扱えます。自殺の考えがあるときは中国では 12356 に連絡し、危険な手段を遠ざけます(第 1 章の項目 25)。周囲の対応は第 8 章の項目 15、子どものうつのスクリーニングは第 30 章の項目 8を参照してください。
研究と参考資料
Smith MM, Sherry SB, Chen S, Saklofske DH, Mushquash C, Flett GL, Hewitt PL (2018). The perniciousness of perfectionism: A meta-analytic review of the perfectionism-suicide relationship. Journal of Personality, 86(3), 522–542. https://doi.org/10.1111/jopy.12333