妊娠20週以降は、イブプロフェンなどを自己判断で飲まない
妊娠20週頃から、羊水の多くは胎児の腎臓で作られる尿に由来します。この時期にイブプロフェンなどを使うと、胎児の腎臓に障害が起き、羊水が減る可能性があります。米国への報告には、新生児の死亡例もあります。ただし、特定の目的で医師が処方する低用量アスピリンは、同じ扱いではありません。
必要なこと
お金はかかりません。
期待できること
米国食品医薬品局(FDA)は2020年10月、妊娠約20週以降のNSAIDs使用により胎児の腎臓に問題が起こり、羊水過少になる可能性について注意喚起しました。処方薬・市販薬の双方が対象で、アスピリン、イブプロフェン、ナプロキセン、ジクロフェナク、セレコキシブなどを含みます。FDAが2017年7月までの有害事象報告を調べたところ、羊水過少または新生児の腎機能障害が35例あり、すべて重篤でした。そのうち新生児死亡は5例で、全例に新生児の腎不全がありました。文献では、羊水過少の多くは薬の中止後72時間〜6日で回復していました。FDAは、医師から明確に勧められた場合を除き、妊娠20週以降にこれらの薬を使わないよう勧めています。妊娠中の特定の問題に対し医師が処方する81mgの低用量アスピリンは、この制限の対象外です。鎮痛・解熱が必要な場合にはアセトアミノフェンなど他の選択肢があるとFDAは説明しており、まず薬剤師や医師に相談します。
適用条件と注意点
FDAは、かぜ、インフルエンザ、不眠のための市販薬にもNSAIDsを含むものがあるため、成分表示を確認するよう呼びかけています。米国の市販薬ラベルは以前、妊娠最後の3か月についてのみ警告していましたが、この注意喚起で約20週以降に前倒しされました。低用量アスピリンによる妊娠高血圧腎症の予防は第27章5項を参照してください。等級Bとしたのは、数字が有害事象報告に基づき、薬を使っても問題が起きなかった人の総数が分からないためです。効果を「中」としたのは、起きる結果は重大でも、発生は少ないという判断によります。
研究と参考資料
U.S. Food and Drug Administration (2020-10-15). FDA recommends avoiding use of NSAIDs in pregnancy at 20 weeks or later because they can result in low amniotic fluid. Drug Safety Communication. https://www.fda.gov/drugs/drug-safety-and-availability/fda-recommends-avoiding-use-nsaids-pregnancy-20-weeks-or-later-because-they-can-result-low-amniotic