片目がカーテンを下ろしたように突然見えなくなったら、数分で戻っても当日中に救急へ
片目の急な暗転は網膜の血管閉塞の可能性があり、時間がたつほど救える網膜が減ります。一過性の虚血なら、その後数日の脳卒中にも注意が必要です。小さな脳卒中・一過性脳虚血発作を当日評価・治療する方式に変えた研究では、90 日以内の脳卒中が 10.3% から 2.1% に減りました。翌日の眼科外来を待たず、脳卒中に対応する救急へ行きます。
必要なこと
行動を決めること自体に費用はかかりません。救急評価と血管検査には半日~1 日かかります。
期待できること
米国心臓協会の 2021 年声明は、網膜の主動脈が詰まる急性網膜中心動脈閉塞を救急疾患とし、救急体制で認識・優先順位づけする必要があるとしています。血流が止まる時間が長いほど救済できる網膜は減ります。オックスフォード EXPRESS 研究では、軽症脳卒中・症状が一時的に改善する一過性脳虚血発作の患者を当日評価・治療する方式に変えると、90 日以内の再発脳卒中は 10.3%(32/310)から 2.1%(6/281)になりました。
適用条件と注意点
EXPRESS は無作為化試験ではなく、同じ地域の方式変更前後を比較しており、他の時代変化と分けられないため B です。数分で視力が戻ると疲れや低血糖と思いがちですが、一過性脳虚血発作である可能性があり、直後の数日は脳卒中リスクの高い時期です。痛み・充血・涙がなくても片目が見えない症状は重視し、脳卒中対応病院の救急へ行ってください。
研究と参考資料
Mac Grory B, Schrag M, Biousse V, et al. (2021). Management of Central Retinal Artery Occlusion: A Scientific Statement From the American Heart Association. Stroke, 52(6), e282-e294. https://doi.org/10.1161/STR.0000000000000366;Rothwell PM, Giles MF, Chandratheva A, et al. (2007). Effect of urgent treatment of transient ischaemic attack and minor stroke on early recurrent stroke (EXPRESS study): a prospective population-based sequential comparison. Lancet, 370(9596), 1432-1442. https://doi.org/10.1016/S0140-6736(07)61448-2