大病では医療保険・大病保険・医療救助と地域外受診登録を先に使い、ネット融資に頼らない
中国では、省外入院前に「国家医保局」で登録すれば退院時に直接精算でき、全額を立て替えずに済みます。給付後も払えなければ郷・鎮や街道へ医療救助を申請します。在職者には勤続年数に応じて 3〜24 か月の療養保護期間があり、その間は病気による休業を理由に解雇できません。ネット融資や民間の高利借入れは避けます。
必要なこと
制度の申請自体に費用はかかりません。順に進めます。まず省をまたぐ入院前に、WeChat の「国家医保局」公式アカウント内の「国家异地就医备案」で登録します。次に退院時に直接精算し、それでも自己負担が重ければ郷・鎮政府か街道弁事処へ医療救助を申請します。在職中なら療養保護期間に基づいて病休を取り、労災なら労災保険を使います。カード返済が難しければ自分から銀行へ分割返済を相談し、なお足りない場合に民政部指定の個人支援プラットフォームで募ります。主な書類は診断書、費用明細、精算書で、2〜4 回出向きます。病気の最中に手続きを重ねる負担があります。
期待できること
中国は基本医療保険、大病保険、医療救助を「三重制度」として段階的に保障します。最低生活保障受給者と特別困窮者には、対象医療費について 70% 以上の救助を行います。もともと困窮していなくても、大病の医療費で生活が苦しくなった人は自ら追加救助を申請できます。省外入院の事前登録があれば退院時に直接精算し、全額を立て替えて加入地域へ戻って請求する必要がありません。病気で休業する療養保護期間は勤続年数により 3〜24 か月で、この期間中は病気による休業を理由に契約解除できず、病休賃金は地域最低賃金の 80% 以上です。労災では休業中の給与保持期間があり、原則 12 か月以内、元の給与・福利厚生を勤務先が毎月支払います。クレジットカード債務が返済能力を超えても返済意思がある場合、銀行と最長 5 年の個別分割返済を協議できます。合意を締結すれば銀行は取立てを停止します。本人のためにネットで募金する個人支援プラットフォームは国務院の民政部門の指定を受ける必要があり、情報の真偽を確認し、寄付は本人または本人が指定した口座へだけ送金します(中国全国)。
適用条件と注意点
医療救助の給付率と年間上限は加入地域が決めます。療養保護期間は通算就労年数と現在の勤務先の勤続年数による 6 区分です。期間後は合法的に契約解除される場合もあるため、自分の区分を先に確認します。救急患者も地域外受診登録が必要な対象に含まれますが、引用ページは自動登録や事後登録の可否を説明していないため、加入地域へ電話してください。ネット融資や民間の高利借入れは避けます。中国の裁判所が保護する民間貸付利率の上限は 1 年物 LPR の 4 倍で(項目 15)、超過部分が保護されなくても元金は返す必要があり、療養中にその訴訟をする余力もありません。急病・重傷は別で、お金がなくても中国の 120 に連絡します。病院は救命処置を拒否・転送・遅延してはならず、該当する救急費用は疾病緊急救助基金が負担します(第 24 章の項目 9)。労部発〔1995〕309 号は人社部サイトの原文を開けず、省人社庁の転載で確認しています。
研究と参考資料
国務院弁公庁(2021)。重篤疾病の医療保険・救助制度の整備に関する意見(国弁発〔2021〕42 号)。https://www.gov.cn/gongbao/content/2021/content_5659514.htm。国家医療保障局(2025)。省をまたぐ受診での直接精算の方法。https://www.nhsa.gov.cn/art/2025/3/16/art_14_16010.html。労働部(1994)。企業従業員の疾病・業務外負傷の療養保護期間に関する規定(労部発〔1994〕479 号、第 2・3 条)。https://www.gov.cn/zhengce/2022-08/31/content_5711269.htm。労働部(1995)。労働法の実施に関する若干の問題への意見(労部発〔1995〕309 号、第 59 項)。http://hrss.jl.gov.cn/ldgx/ldyggl/201608/t20160824_2401358.html(吉林省人社庁転載)。国務院(2010 年改正)。労災保険条例(国務院令第 586 号、第 30・33 条)。https://www.gov.cn/gongbao/content/2011/content_1778064.htm。中国銀行業監督管理委員会(2011)。商業銀行クレジットカード業務監督管理弁法(銀監会令 2011 年第 2 号、第 70 条)。https://www.gov.cn/gongbao/content/2011/content_1893974.htm。全国人民代表大会常務委員会(2023)。慈善法改正決定、第 124 条。https://www.gov.cn/yaowen/liebiao/202312/content_6923390.htm。民政部ほか 5 部門(2024)。個人支援インターネットサービスプラットフォーム管理弁法(令第 75 号、第 3・11・13・17 条)。https://www.gov.cn/gongbao/2024/issue_11646/202410/content_6980857.html